QCサークル活動はくだらないのか?

QCサークル

QCサークル活動って、やる意味あるの?

こんにちは。現場責任者のしゃーしん(@AceShin8)です。

製造現場で行われているQCサークル活動。私はサークルの運営を推進する立場を長く務めてきました。

自分自身勉強になった部分もありますが、最近のQC活動は理念に反し、形骸化していると感じます。

検索をかけても、『QC活動 くだらない』とサジェストされる始末。

そこで、あらためてQC活動について、実際の現場を見て考えてみたいと思います。

しゃーしん
しゃーしん

QCサークルはくだらない・・

実際はどうなのでしょう?

QCサークルとは?

そもそもQCサークルとは何か?確認してみましょう。

QCサークルとは、
第一線の職場で働く人々が
継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う
小グループである。

この小グループは、
運営を自主的に行い
QCの考え方・手法などを活用し
創造性を発揮し
自己啓発・相互啓発をはかり
活動を進める。

この活動は、
QCサークルメンバーの能力向上・自己実現
明るく活力に満ちた生きがいのある職場づくり
お客様満足の向上および社会への貢献をめざす。

経営者、管理者は、
この活動を企業の体質改善・発展に寄与させるために
人材育成・職場活性化の重要な活動として位置づけ
自らTQMなどの全社的活動を実践するとともに
人間性を尊重し全員参加をめざした指導・支援を行う。

日科技連 QCサークル活動(小集団改善活動)

しゃーしん
しゃーしん

『自分たちで自分たちの職場を良くしていこう』

という、自主的な活動ですね!


与えられた目標をこなすだけの活動

では実際に現場ではどのような運営をされているのでしょうか?

私の勤める工場ではQCサークルの目標値があります。年間2件の改善事例を完成させ、それを発表する場があります。各人とサークルのレベルアップ目標もあり、年間を通じて活動をしていきます。

本来は自分達を助けるためのQC活動。現場での困りごとを改善して、自分たちの作業をやりやすくしていきます。また活動を通じて人が成長していくことも大きな目的です。

ですが実態は2件の改善事例を出すだけです。出すのが目的になっています。自主的な活動にはなっていません。

取り上げるテーマも上位方針に紐づくテーマを求められるので、必然的に大きなテーマになりがちです。本当に自分たちが困っているテーマ(身近な困りごと)になかなか手を付けられないことになります。

時間の問題もあります。QCサークルの時間は与えられていますが、ちゃんとやれば時間は足りません。 年間2件のノルマも達成する必要があります。不足した時間を補うためにリーダーが休憩時間を使ったりして資料をまとめます。このため誰もリーダーをやりたがりません。(かつての私がそうでした・・その時は勉強のためと思っていましたが・・)

ノルマと自主的な活動の矛盾

個人的には、ある程度ノルマを与えるのは必要である、と考えています。なぜなら人はそのような機会を与えられないと、自分の頭を使って改善することなどないからです。与えられた単純作業だけをこなして給料がもらえるなら、進んで改善していく人は、まずいません。

しかしながら、企業は存続するために常に成長し続けなくてはなりません。そのためには現場の改善が必要です。そのためにQCサークルがあり、目標値もある。それは分かります。

ですが実態は違っていて、ただのやらされ活動になっています。そもそもQCの歴史からみれば自主的な活動だったようですが、ノルマがある以上、通常の業務だと言えます。

一番の問題は、みんながそんなものとしてQCを捉えていること。

ノルマをこなすために、QCをこなします。

表向きにはQCに対して悪いことは言いませんが、体裁よく繕うために数字をいじくることは当たり前になっていました。

自分達の都合のいいように数字をいじることが常態化してしまう、これが会社の隠蔽体質の温床にならないことを切に願います。

オッサンが喜ぶ嘘ストーリーに仕立て上げられる

私は今までに会社のQC大会で選ばれた改善事例発表会を何度も聴講してきました。それは大体同じストーリーです。

やってもいないことを、さもやったかのようなストーリーにし、ドラマチックに仕立てあげるのです。こうして、オッサン達が喜ぶような起承転結の物語が完成します。

こうして、ありもしない話が、三流小説の如く書き上げられ、完成します。演出と言えばそれまでだが、『データでものをいう』 と言うQCの本来の考え方からは相反するものになっています。

なぜ話を盛るのか? その目的はQCサークル活動を頑張っているぞ、という姿を内外的にアピールするためなのでしょう。やらされる方はたまりません。

無理矢理QCストーリーに当てはめる

すでに対策が実施されており、ある程度の効果が出ている場合、その話をQCストーリーで解決したかのように、作り上げることがあります。

はじめに答えがあり、答えが分かっているものに対してどのように答えを導いたのかを示すのです。

本来なら要因解析のステップで出た重点要因に対しては、検証を行って本当に効果があるかを見定めます。 ですがこの場合、資料を作る時には対策がすでに実施されているので、後付で根拠を示すことになります。

あらゆる角度から解析を行って答えを導いたように見せることになります。その思考のプロセスが共有化されることで誰かの成長に繋がれば良いですが、そのようなこともありません。

なぜこのような事になるかと言うと、 決められた期間内に改善が終わらないからでしょう。 1年間に2件の改善事例の提出がノルマとなりますと1件の完成は半年です。要因解析、対策を行うのに半年以上かかるものは、期間内に終わることができなくなってしまいます。従って答えがあるものに対して資料を作ることになるわけです。

QCは全く意味がないのか?

ここまで振り返ってみて、あえて悪い側面を強調しました。実態がそうだからです。

ですが、QCが全く意味がなかったか?と振り返ってみると、そうではありませんでした。私自身、問題解決の考え方や、人へのアプローチ、仕事への取り組み方に関して、よい面や学びも多くありました。

私は、QC活動を推進しているときは、現状把握と要因解析のステップだけはちゃんとやりなさい、と指導してきました。

現状把握のステップでは、『現状をしっかり掴めば、ほとんど改善したようなもの。やるべきターゲットを狙い撃ちにしなさい』、と。

要因解析のステップでは、『これ以上思いつかないくらい、知識と経験と想像力を使って要因の洗い出しをしなさい』、と。

紙の上でアイデアを振り絞って紙の上でいっぱい失敗しよう、と指導してきました。

紙の上の失敗ならコスト0です。実際に失敗したら損失が出ますから。

私にとっては自分を成長させてくれた活動であり、予定調和の筋書きに合わせてくだらないと思った活動でもあります。結局、

QC活動自体が悪いのではなく、やらせ方の問題なのでしょう。

活動を活性化させるかどうかはマネジメント次第なのでしょう、と思います。

まとめ

QCサークル活動の基本理念

人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。
人間性を尊重して、生きがいのある明るい職場をつくる。
企業の体質改善・発展に寄与する。

日科技連事業内容 QCサークル活動(小集団改善活動)

生産現場で働く人も今ではだいぶ変化しました。昔は新入社員がいてその上に若手、その上のベテランが支える、といった家族のような形でした。今は環境が異なります 。

現場の多くは期間工や派遣社員がしめ、外国人労働者も少なくありません。そのうえ人の入れ替わりが激しく、同じ職場に長く定着する人は少ないです。

このような中でQCサークルを活性化させるためには、今までと同じようなやり方では無理なのでしょう。働く人たちは職場に愛着もありません。さらに今後は自動化が進み、人が減っていく傾向にあります。その中でも、今までと同様にQCサークルを運営するのであればやり方も変わって当然です。

どのように活性化させるのか?その方法はサークルによるものだと思いますが、負担だけが増えて意味のない活動にならないようにしたいものです。


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